そんな堂々と言われて、ふたりの顔が見れない。


萌花ちゃんの顔は真っ赤だし。


せっかくのチャンスだもんね。誰もいないふたりきりの家で、イチャイチャするのかな……。


「私もどこかに泊りにいこうかな……」


そうポツリとつぶやけば、


「おいおい、凪いるんだからいいだろ?」


なんにも分かってない嶺亜のノーテンキ発言。


だから困ってるのに!


まだ、家族がいるから凪くんとひとつ屋根の下生活も耐えられたのに、本当にふたりっきりになるなんて聞いてないし絶対無理!


「乃愛ちゃん、本当にごめんね……」


なんて泣きそうに言われちゃったら、もうダメなんて言えなかった。