すがるように訴えると、萌花ちゃんは「どうしよう……」と困ったように眉根を下げる。


ううっ。萌花ちゃんを困らせたくなんてないけど、こればっかりはお願いします
っ!


仏さまを拝むように両手を合わせて深々と頭を下げていると。


「乃愛、たのむわ」


嶺亜の声が聞こえて、はっと頭を上げた。


この緊急事態に、萌花ちゃんがスマホで嶺亜に連絡をしたみたい。


嶺亜と萌花ちゃん、4つの瞳が私に訴えかけてくる。


「えええ……」


ふたりで泊まるってことは、その、あれだよね。


ふたりはつき合って2年くらいたつから、そりゃあキス以上のこともしてるとは思ってたけど。