「んっ……。な、凪……くんっ……」


私は動けず、凪くんにされるがまま名前を呼ぶことしかできない。


やだっ……どうしよう。


するすると動く指は、パジャマの生地にまで到達し、やっと離れた。


「結構感度いいんだね」


「ひゃっ……」


耳にかかる吐息に、たまらず声を上げれば。


──カプッ。


凪くんは耳たぶに歯を立てた。


まるで子犬が甘噛みをするみたいに。


「んっ……やっ……」


自分でも恥ずかしくなるくらい、みだらな声が出た。


どうしてこんなことされてるの……?


頭が真っ白になりそう。


「乃愛の"いや"は"もっと"に聞こえる」


だんだんと熱くなっていく吐息に、たまらず身をよじる。


立っているのが限界で、ずるずると壁に背中をつけながら、畳の上に崩れるようにぺたんと座り込んだ。


それをどこまでも追いかけてくる凪くんは、私の目の前でしゃがみ、満足そうに笑う。


「やっぱり可愛いね、乃愛は」