「なにしてたの?」
「……なにも……してませんっ……」
「ふーん。俺にはのぞき見しているようにしか見えなかったけど」
薄茶色の瞳が、怪しく光る。
お風呂上がりだからなのか、運動をした後だからなのか、ほのかな熱が伝わってくる。
「見たいなら、堂々と見ていいよ」
「だ、だいじょ……ぶ、です……っ」
ぎゅーっと目をつむると。
唇に何かが触れた。
……体育祭のときの"あれ"とは違う。
目を開けると、凪くんの人差し指が私の唇に載せられていた。
そこからすーっとまっすぐ下に、指をおろしていく。
パジャマを着た私の胸元は少し開いていて、そこをなぞるように肌に指を滑らせていく。