ううっ……。
からかって楽しんでるんだ。
「可愛い。これから寝起きの乃愛が毎日見れるのかと思ったら、楽しみでしょうがないよ」
「なっ……」
「ほら、早く起きないと遅刻するよ」
そう言うと、凪くんはベッドをぴょんと降りて部屋を出て行った。
──バタン。
しまったドアを呆然を見つめる。
……いまのは一体何だったの?
人の形にへこんだ部分を触れば、凪くんのぬくもりが残っていた。
はあっ……初日からこんなんで、私これからどうなっちゃうんだろう……。
それからすぐに身支度を整えて、お弁当を作って、ご飯を食べて。
「行ってきます!」
私は凪くんから逃げるように家を飛び出した。