……どうしても府に落ちない。
昨日、ふろ上がりの藤森と鉢合わせたけど……イヤ、あれは本当に藤森だったのか……?
「うーん……」
俺が見たのは、息をのむような美女だった。
全身に雷が落ちたかのようにビビビッと、一瞬動けなくなった。
あんなに俺の好みにピタッとハマる女なんて、初めてだ。
「どーしたんだよ、頭ひねって」
後ろからバシッと俺の背中をたたいたのは、クラスメイトでバスケ部でも一緒の祐樹。
「いや、別になんでもねーよ」
「そーいや、昨日嶺亜んち泊ったんだろ?」
「ああ」
昨日は夜中にNBAの試合がテレビで中継されるということで、一緒に見させてもらったのだ。
嶺亜の家はCS契約していて、海外の試合も見れるからと。