「きゃっ、凪くんだっ」
「凪くんどうしたのー?」
なんて女子の猫なで声はフル無視だ。
「おい」
嶺亜の机の上に手をバンっと乗せると、俺を見て「おー」と言った。
おーじゃねえよ、おーじゃ。
「乃愛になにがあったんだよ」
眉間にシワを寄せたまま尋ねると、嶺亜は面白そうにふっと頬を緩めた。
「可愛いだろ? もっとお前好みになったんじゃねえの?」
「そうじゃねえよ!」
「萌花が行きつけの美容院に連れてったらしいよ」
「はあ? なんのために」
「で、どうせならコンタクトにすればって勧めたのは俺」
「余計なことしやがって!」
俺が食って掛かると、まあまあまあ、ととりなす。
はあ……意味不明すぎて頭を抱えたくなる。