俺の方が先に乃愛の可愛さに気づいたし、乃愛の良さはそれだけじゃない。


可愛いだけで優しくするなんて、そんな不埒なヤツに取られてたまるか。


「藤森って処女感丸出しだよな。俺の前で怯える感じがたまんねー」


「てめえ、乃愛になにしたんだよっ」


思わず、シャツの胸元に手が伸びた。


「おっと。仮にも俺は先生だからな」


黒澤は、自分は何もしてないとアピールするように両手をあげる。


「ふざけんな。そんなタラシな教師がいてたまるか。とっとと大学に帰れよ」


「あいにく、体育祭が終わるまでは3組に居させてもらうんで」


本当に最悪だな、こいつ。