「女の子がケガしたんだ。助けに行くのが男ってもんだろ? ま、高校生のガキにはわかんねえか」


「は? このタラシが」


相手が年上だって関係ない。いやみたっぷりに言ってやった。


黒澤が来てからは女子の目線が黒澤に流れ、俺の周りに女子がまとわりつかなくなってラッキーだと思っていた。


でももう話が違う。乃愛が絡むとなれば別だ。


早く実習期間終えて大学に帰れよ。


でも体育祭が終わるまで3週間もいるって……はあ……。


「なにムキになってんだ。おまえこそ女子を沢山侍らせてるくせに」


「してねえよ」


「どうだか。体育館まで女子が押しかけて来んの、あれ邪魔だからどうにかしろよ」


黒澤は高校までずっとバスケ部だったらしく、放課後時間があるときはバスケ部へ顔を出して俺らを指導したりもする。