昼休み。


なんとなくむしゃくしたまま廊下でパンをかじっていると。


「凪、なんでこんなとこでメシ食ってんだよ」


たまたま通りかかった嶺亜が、足を止めてそんな俺を笑う。


「さーね」


なんでだろうな。俺もよくわかんねえ。


「さーねって。……ま、頑張れよ」


嶺亜は俺の肩を軽くたたくと、そのまま友達を追いかけて行ってしまった。


頑張れ、か。


頑張りたいけど、乃愛相手に何をどう頑張ったらいいのかわかんねえ。


よりによって、男子に興味のかけらもなさそうな乃愛を好きになるとか。はあ……。