……なんだよ。


グッと睨み返し、また乃愛の膝に視線を戻す。


なんでそもそも黒澤が乃愛に付き添ってたんだ!?


そんなの面倒臭くて絶対にやらなそうな男が。


絆創膏を貼りながら、頭の中でそんなことばかり考える。


「もう、大丈夫。ありがとう。く、黒澤先生も……ありがとうございました」


デカイ男ふたりに囲まれて、乃愛はどことなく居心地悪そうだ。


いつものようにうつむいて、挙動不審に手足をもぞもぞさせている。


早く乃愛をここから連れ出そうと思い、腕を掴むと。


「そうだ、藤森。この間これ忘れて行ったぞ」