もともと乾いたグラウンドだから、すぐに傷口はきれいになった。


「保健室に絆創膏もらいに行く? 消毒もしてもらえるし」


俺がそう言うと、乃愛は小さく首をふりポケットから絆創膏を取り出した。


「私、どんくさいからいつケガするかわからないし、いつも持ってるの」


……なんて用意のいい。


「貸して、俺が貼る」


黒澤にとられる前に奪い、シートを剥した。


「そのくらい私できるけどっ……」


「いいんだって、やらせて」


有無を言わせず絆創膏を貼る俺に、乃愛は黙ってされるがままになる。


膝に目線を合わせるようにかがむと、上から視線を感じた。


黒澤が俺を見て、薄ら笑いしていた。