どってーん。


そんな音が聞こえてきそうなくらい、乃愛が派手に転んだ。


「あっ……」


思わず立ち上がろうとすると、俺が転びかけた。


そうだった。黒澤と足が紐で繋がれてるんだ。


「チッ……」


黒澤は舌打ちし、迷惑そうな目で俺を見た。


「ちょっとー、ちゃんと合わせてよ!」


引っ張られた飯田もバランスを崩すが、反射神経がいいせいか転ぶのは免れたみた
いだ。


「……ごめんなさい」


その後は、速度を落としてなんとかゴールしたが。


乃愛の膝は土で汚れ、血もにじんでいるのが見えた。


クソッ。俺の足が繋がれてなかったら、すぐにでも飛んでって手当してやるのに。


「ちょっと、マジかんべんなんだけどー」


紐をほどいた飯田は、文句を言いながら友達の所へ行った。