「そういえば遥斗とのデートどうだった?」

「楽しかったよ」

「あいつの服ダサくなかった?実はすげー悩んでてさ」


「全然ダサくなかった」とブンブン首を横に振る。

むしろすごくカッコよかった。

デートの日のことを思い出して、頬が緩んでしまう。


「あ…」

「ん?うわっ…」


夏生くんの後ろに遥斗くんが立つ。

「なに話してるの?」と私ではなく、夏生くんに聞いている。


「遥斗がデート緊張してた話」

「えっ、ウソ…」

「ホント。今日もこれからデートなんだろ?行ってらっしゃーい」

「あっ、おい…」


手をヒラヒラと振って夏生くんは去って行ってしまった。

こっちを向いた遥斗くんが「行こっか」と微笑む。

それに大きく頷いて、私たちも教室を後にした。


照りつける太陽の下を歩いてやって来たのは、カフェOYATSU。

「誕生日に行きたい場所とか、したいことある?」と聞かれて、即答してしまった。

どうしても遥斗くんと来たかった場所だ。