「「衣織、お誕生日おめでとう」」


朝、教室に行けば未緒とまりやが拍手をして出迎えてくれた。

それに驚きながら「ありがとう」と笑う。


今日8月25日は私の誕生日だ。


まだ夏休みの最中だけど、なぜか今日に限って登校日。

こうしてみんなに会えるから、登校日でよかったなんて思う。


「今日、遥斗くんとどこ行くの?」

「駅前のとあるカフェに…」

「カフェデートか。いいね」

「うん」


午前中で学校が終わるから、放課後は遥斗くんと過ごすことになっている。


「明日は明日で楽しみにしといてね」

「そうだね。天気もいいみたいだし」

「うん。楽しみ」


未緒とまりやの言葉に頷いた。
明日はふたりと遊園地の予定だ。

なんだかすごく楽しい日が続く。



あっという間に時間が過ぎて放課後。

終礼直後「衣織ちゃん」と声をかけられる。


「お誕生日おめでとー」

「ありがとう。夏生くん」


顔を上げれば、会わないうちに髪色が少し落ち着いた夏生くんがいた。