コイツも、きっとそんなもんなんだろうと思った。

"また今度ね"のあの台詞も、本当にまた今度してあげちゃうパターンの男。

減るもんじゃないとは思うけど、私は不特定多数の男とそういうことをする趣味はないから。

……なんて思いながら眞紘を見つめると、ふとヤツが視線を上げてきた。



「……」

「……」



本当に、掴めない。

ジッと見つめられて…それだけ。

執拗に髪をクルクルと弄ってくるしで、大したことはしてないようなあっけらかんとした顔を向けてくる。

酔うのではないかというほどに甘いホワイトムスク。



見つめて、

触って、

伏し目がちになる瞳。


ギシッと…とソファーが軋むと同時に、それがまた私の唇へ向けられていると思った瞬間には


「んっ」


チュッ…と、一つ音を立ててまたキスを落とされた。




……なんだ、これ。

パチパチと瞬きをする中で、薄っすらと瞳を開けながら離れてゆく。



「…暫く寝るから、そこに居て」






好き放題したかと思えば、さりげなく私の肩に寄りかかっているのだから、マイペースすぎるにも程がある。

何にもなかったかのように静かに寝息を立てていて。



私も…突然のキスに取り乱すこともなく、いつも通りに怪訝そうな顔をするのだから、強ち──────"変な女"、

なのかもしれない。