「眞紘くんっ!暇してるの?」



巻きに巻いた髪をクルクルと弄る女は、谷間を見せつけるようにしてヤツの腕に手を回していた。

それに薄っすらと瞳を開ける眞紘は、あの涼しげな顔でゆっくりと隣の女へと視線を向ける。



「ねぇ〜あたしとお話しようよぉ?」

「お話?」

「してくれるぅ?」

「…何を話してくれんの?」

「…えっとねぇ〜?」



……なんて。意外や意外。

割と普通に受け答えているのだからちょっと驚かされた。

腕に手を絡ませる女を見下ろすようにして見ている眞紘に、徐々に高揚感を見せてくる女。

あの中性的な声で。

髪をふと弄ったり、香水とかを変えたことに気づいたりと、それも含めこういうことも普通でする人間なのか、とやっぱり掴めない人間だと思った。