ガヤガヤと煩いヤンキー女、ド変態、オカマを放置して私は何となくな気持ちで辺りを見回して、

………あ、いた。


こっちに混じることもなく人が少ない一角で、ただ腰を下ろして瞳を閉じている──眞紘が。


相変わらずの明るいハチミツ色の髪。

柔らかそうなそれは今日も綺麗にセットされていて、エアコンの風に乗ってフワフワと揺れていた。

アイツは、混じらない。

一人が相当好きなのかは分からないけれど…、いつも決まって少し距離を置いたところにいるような気がして。





「眞紘くーんっ」






そんなところに如何にも軽そうなギャル女が駆け寄っていっている場面。

そりゃあモデル並みの顔立ちをしているあの男がモテないはずがなく、けれどそういった類の人間をどうやって扱うのかと少し興味を持った。




晄みたいに…するのだろうか。