西沢さんて、確か私と同じ学年。
クラスも違うし話したこともないけど、唯一の同学年で女子仲間。
仲良くできるといいけど。
「ごめん、遅れた」
「遅ぇぞごっつ」
「洋平も今来たばっかだろ」
「ん?そーだっけ?」
ごっつ、先輩?
なんていうか、すごく強そうなあだ名なのに普通の人だ。
「すみません、遅くなりましたっ」
ごっつ先輩の後に続いて現れたのは、この子がきっと西沢さん。
やっと女子が来てくれたことに、ホッとする。
「よし、これで全員揃ったな」
生徒会メンバー5人全員が集合したことで、緊張が再び全身を巡っていく。
「今日は顔合わせだけなんでしょ。顔ならもう合わせたし帰っていーんでない?」
洋平先輩が適当なことを言うもんだから、生徒会長が思いっきり苦笑を浮かべた。
「せめて名前ぐらい教え合っての顔合わせだろ」
「え、俺のことならみんな知ってるって。1年の間で洋平先輩イケメンって噂の的でしょ?」
でしょ?って、1年の私と西沢さんの方に洋平先輩の視線が向けられたけど。
これは突っ込むべきなのか、それとも正直に「まったく知らないです」って言うべきなのか。
そもそもこの先輩は冗談で言ってる?
それともまさか、本気?