「…お嬢、それ僕にもやって」

「飴食べたら飲めないからダメ」



何故か勝ち誇った顔の湊と、睨みつける和を前に無視して食べ続けた。

相手にしてたらいつまで経っても食べれないから!



「…じゃあ、ケーキ頂戴」



半分になった桜のケーキを指さした。
元々はんぶんこのつもりだったやつ。



「いいよ。全部あげる~」



その為にフォーク二本貰ってたしね。


使っていないもう一つのフォークと一緒に皿を和の前に向けた。けれど、フォークだけが床に落ちてしまった。


和は正面でニコニコ笑顔。


あれ?落ちないように向けたつもりだったけどなぁ…。


でも落ちてしまったものは仕方がない。



「店員さんに言ってくるねー」



落ちたフォークを拾いつつ立ち上がったが、動かない。何故なら和に腕を掴まれたから。


意を決した顔してる。



「お嬢のあるから必要ない!」

「いい加減にしろ!」



言い争い二人を無視し、店員さんに新しいフォークを貰った。