す、すごく困った!
この状況をどう説明しよう!
「こっ……レ、は!事故でして!寝惚けたみたい!」
「…はあ。そうですか」
ただでさえ距離を感じるのに、更に距離が伸びた気がする。
溜息を吐きながら、放してくれた。
「これ」のイントネーションが。
れ、のイントネーションが変になってた…!
「……すみません。故意じゃないんです…」
ベッドの上で土下座。
「あ、あのね!?昨日リヒトさんが寝た後!確かに私この下に!ここで!寝てたの!」
指差すのは突っ伏していたはずの所。
「…さあ、どうでしょう?」
あああ…更に嫌われる原因を作ってしまったぁ…。
どう見ても信じてない顔だああぁ。
…これじゃあ、
「和と湊と更に会えなくなってしまった気がする…」
思わず出てしまった心の声。
「……私以外の男の名を口にしないでください」
肩を掴まれた。
眉間にしわが寄っている。
「会う必要ももう無くなったでしょう」
「そ、んな事ない…」
だって、えっと。
和と湊の事…が、好き…だし。
「………いい加減にしてください」