「ごめんなさい。ちょっとだけなので!」



額に手を当てて驚く。


な、にこれ…!
こんな熱いなんて!


部屋に置いてある救急セットを取り出した。
絆創膏や軟膏ぐらいの簡単な物。


…良かった。小さいけど体温計が合って!



「ちょっと、脇失礼します…!」

「っ、やめてくだ…」

「すぐ終わりますから、ねっ!」



抵抗する力もないリヒトさんのシャツのボタンを数個外し、脇にズボッと差し入れた。

少ししてピピピ、と音が鳴る。



「……うそ、」



温度を見て驚く。

38度…でもそろそろ39度台に入りそう。


──────そんな。


直ぐにこの温度になるわけがない。
…って事は、もしかして。


今日ずっと熱があったってこと?




手を弾かれた。




「………放っておいてください……」




私から顔を逸らし、よろよろと立ち上がった。私の部屋から出ようとする。




「ッッ!?」

「まずは寝ましょう!」




腕にしがみつき、引っ張った。



「な、にを…!」

「ごめんなさい!私のベッドですけど!あ!でも、洗ったばっかりなのでご心配なく!」

「そうい…うわけでは…!」



と、言うリヒトさんを押し倒した。