イントネーションも結構難しくて吃驚。
フィンランド人の苗字って難しい…。


「不快な思いさせてごめんなさい…」

「いいえ。確かに日本人には馴染みのない苗字ですから。お気になさらず」


そ、それならいいんですけど。

表情が読めなくて結構怖いけどね…。



「リヒト…さん?」



彼は私に視線を向けたまま、「はい」と言った。




「和と湊の所に連れて行ってください!」


「駄目です」




即答…!!



「なんで!?」

「丁度いいのでこのままお話しましょう」



話しってなんの!?
それに全然丁度良く無い!



「これからは、若頭御二人に接近するのを禁止します」

「な、なんで禁止されないといけないの!」

「それが私の仕事だからです」



そんな仕事が用心棒っていうのに入ってるって言うの!?



「良いですね?」



ムッとしたまま左右に首を振った。
全くと言っていいほど聞く気など更々ない。