知らなかった!

なんて思ってたけど彼は一言。
「違います」と言い切った。


違う?お面は食べないってこと?
それじゃあ面食いって何を食べるの?


そう思ってたんだけど、


「とにかく五十嵐花さんの考えている事は全く違います」と言われてしまった。


……じゃあなんでそんな事言ったの。それと!



銀髪(・・)さんって全然笑わないんですね」



全く。ピクリとも笑わない。
無表情、感情も読み取れない。



「………その呼び方は辞めていただきたいのですが」

「名前わからなかったから…」



あっ、でも。



「酒井ジュニアさん??」

「それだけは辞めて下さい」



え。

でもパパがそう言ってたけど。



…そう言えば、よく見ると。
酒井先生に似てるような??


彼は溜息を吐いて、咳払いをした。



「……父は酒井秋季です」

「あ!だから!ジュニア!」



…でもなんか嫌そうに言うんだね。無表情なのに、嫌そうって分かるぐらいだから、かなり嫌っているのかもしれない。



「これはフィンランド人の母譲りです」



銀髪の髪とずらしたサングラスの間から緑色の瞳。

つまり…ハーフって事?
それなら私とちょっとお揃い。



「私はママがハーフなの。だからこの髪はママとおばあちゃん譲りなんだ」

「ええ。知っています」