「金輪際、彼女に一切近付かないようお願いします。近づけば…容赦なく排除致します」




────…っ‼



「そんなの…!」

「「分かった」」



銀髪の彼を見た後で、和と湊の方を向いた。

止まった先が二人の後を過ぎた後だったから、二人の事が良く見えた。


いつもと変わらなかった。一切笑わず、こっちを見たまま躊躇う事もせず言い放った。



「和?湊?…なんで?」



笑えない冗談ってこう言う事なのかもしれない。

二人の答えを聞いた彼は歩き出した。



「ッ!辞めて!降ろして!」

「動けば悪化すると言ったはずです」



降りる事は出来ない。



「ッ…!和!湊!ずっと傍にいてって!言ったのに!なんで!…どうして!」



離れて行くなって言ったのは私だけじゃなかった。
二人だってそう言ってくれたよね?


それなのに、どうして自分から────、



「私…わたしが約束守れなかったから?」



二人を困らせたから?
迷惑ばっかりかけてるから?




「っ…和!湊!」




”仕方なくいる”そんな言葉がまた頭の中でグルグルとしていた。