「────どうしてそう思った?」


顔色は変わらない。
変わったのは殺気が無くなった事ぐらい。



「…だ、って……今までずっと、」



…偽って来たんだよね?
正反対なんでしょ?…本当は。

それに…今まで一度たりとも私に殺気を向けた事なんて無かった。


だけど今は────…。




「ごめんね。急に変わったからそう思ったのかな?」

「………違うの?」



留華はハハッと乾いた笑いをした。



「違う…と言いたいけど。半分は当たりだね」



半分…?
それって嫌いでもあるって事?



「疎ましいと感じる時はあるよ?
…お嬢は隙が多すぎるから。

だから簡単に体に触れられる。そういう所が憎たらしくてたまらない。

俺以外を視界に映す事も、触る事も、笑う事も…ね」



その後で、「でも」と付け加えた。
優しく笑って包む頬。



「好きだよ。愛してる。

犯して、壊して、苛めて…お嬢を永遠に愛し続ける。

何処にも行かせない。
ずっと俺が面倒見るよ。

それぐらい…心の底から愛してる。



────勿論、
お嬢も俺の事が好きだろう?」