その後パパは何も言わず、部屋に私を連れて行ってくれた。



その後だ。
縁側に座っていたのは。

最初はリンを探すつもりだったはずなのに…。




「悩み事か?」


頬杖をつく春比古くんが言った。


凄くこっち見てくる。


…あれ?何かついてた?


浴衣は着直したし、出る前にパパの部屋で鏡見たんだけど…見えないところについてた、とか??


……ご飯粒とかだったらどうしよう!?カピカピは取るの大変なのに!早く取らないと────、



「花、」

「わぁッ!?」



立ち上がる動作をしてる最中だった、腕を引っ張られ体制が崩れる。



「……っ、?」


「俺を置いて何処行くん?」



春比古くんの匂いがする。
包み込まれた身体と耳元の声。



「えっと…?ご飯粒付いてるから取りに行こうかなって?」

「ハッ…そんなもん、ついとらんよ」

「え?でもさっき私の方…」



見てたけど…。
それって何か付いてるって意味じゃないの?