「お前等を花の番犬から解任する」
───その言葉の後、

パパは私を抱えたまま部屋を後にした。



「…っ、ぱ、ぱぱ。解任って?どうして?」



へんなの。最初にそんな事を言ったのは私の方なのに。

どうしてこんなに苦しくなるんだろう。



「次は大丈夫だ。こんな事は絶対起きない」



そう言って笑った。


大丈夫…?
そんなの理由になってないよ。


それとも───、



「や、っぱり…二人は命令だから仕方なく、居たって事…?」


「……は、?」




廊下の真ん中。
急にピタリと歩くのを辞める。


目を見開き、私を見る。



「?、パパ…?」

「あいつ等が仕方なく?」



どうしたんだろ?
どうしてそこまで驚いてるの?



パパは少し考えた後で、



「………成程な……ハッ、よく言う」



呟き、歩き出す。



向かう先はパパの部屋。





「────…花、


俺達の世界は、野望に満ちた奴等ばかりだ。

あまり他人を信用し過ぎれば後悔する事もある。


簡単に他人を信用するな。
それがどんな相手でもだ。

自分の意志で、自分の目で確認し判断をするんだ」