留華の唇が緩むが、手で覆う。

見えないようにする為なのだろう、それのせいで竜二は気が付いていない様子だった。



「それなら、早めに行動しないと」


「分かってる」



大きな溜息を零した。



「そう簡単に見つかるわけがないだろうけど」



竜二の心を読んだかのような留華の言葉に顔をしかめる。
事実、竜二は心の中でそう思っていた。



「……必要ない。俺が花の傍にいればいい」


「嗚呼そうだね。その通り。

お嬢の番犬が務まるのは、若頭ぐらい強い奴だと言ったのは親父だ。そんな奴は限られている。親父か、あいつ等か、俺しかいないから…」



ニコッと笑う。



「でも、四六時中お嬢の傍にいれると言い切れる?

五十嵐組を管理しながら、仕事しながら、ずっと、お嬢の傍にいれると?」



「………何が言いたい」