目尻から流れた涙が横に伝い落ちる。
寝ているから。
頬を通らない。
「……ッ、ごめんなさ…」
顔を隠した。
噛まれるのは痛いって知っている。
…舌なんてもっと痛いはず。
それなのに、噛んでしまった。
でも…こうでもしなきゃ止まらないと思ったから。
舌打ちが聞こえて、手を掴み取られる。
しかめっ面と──、今までされた事が無い、力強く乱暴な扱い。
「さっきまで抵抗しなかっただろうが」
「…っ、ごめん…なさい、」
…ハッとしたんだ。
目を閉じた時に。
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