ゾワゾワとした感覚が襲う。
ただ…怖いとは思わなかった。

気持ち悪いとも思ってない。


…ベタベタはするけど。



「んっ…、」



時々漏れてしまう声は自分のじゃないみたいだった。


ようやく離れた湊はまた私の顎を持ち上げる。その後で、ゆっくりと深いキスを落とす。




憧れ…とは違う。
人も仕方も、全然違う。

夢見たものと似ても似つかない。




───それなのに。




「ん…、あっ、」




深いキスも。浅いキスも…全部嫌じゃない。



こんなの、
間違っているのに──…。



受け入れ始めている私が嫌になってしまう。


こんな事…本当は暴れてでも辞めなきゃいけない事じゃないの…?


前に感じた事のある感触だなんて思って。それが心地いいだなんて…可笑しいよ。