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これで完全に陽菜は嫌われた。


1日中なにもせずゴロゴロして、晩ご飯も彼氏に作らせて、あげく食べたくもないアイスをかって来させたのだ。


あの後美緒の注文どおりアイスを買って来てくれた大河だったが、ご飯を食べていてもほとんど会話をしなかった。


きっと怒っているのだろう。


自分の計画通りだ。


大河さんが呆れて『出て行け』と言えば2人の関係は終わる。


そう、思っていたのだけれど……。


「陽菜、一緒に風呂に入ろう」


リビングでテレビを見ている時そう声をかけられて、美緒はまぬけ面で大河を見上げていた。


「風呂って……え?」


「お湯がたまったんだ」


うん、それはわかるけど、でも。


目の前にいる大河はいつもと変わらない笑顔を美緒へ向けている。


まるで怒っているようには見えない。


「えっと……怒ってないの?」


恐る恐る聞くと大河は目を見開いて「どうして?」と首をかしげてきいてきた。