食事を終えて食器を片付けていると、大河が後ろに立っていた。


「一緒に風呂に入ろう」


そう言って腰に腕を回してくる。


こっちはまだお皿を持っているのに、危ないと思いつつ首を曲げて大河を見た。


大河はまるで子供のように首筋に顔をうずめて甘えている。


それがくすぐったくて思わず身をよじった。


「一緒に……?」


「そう。いつも入ってるだろ?」


言われてどう返事をすればいいかわからなくなる。


そうなんだ……と、また複雑な気分になってしまいそうになって、自分を叱咤する。


ついさっきこの状況を楽しもうと決めたばかりだ。


美緒は食器を片付けると体を反転させて自分から大河に抱きついた。


「もちろん」


答えると大河は嬉しそうに笑い、お姫様抱っこをしてきた。


突然宙に浮いた体に驚きつつも、大河の首に両手を絡ませる。


下から見上げる大河は本当に子供みたいにはしゃいでいて、美緒はそのまま脱衣所へと連れて行かれてしまった。