グズグズと頭の中で考えていると、いつの間にか大河がすぐ横に立って顔を覗き込んでいた。


「キャッ!?」


驚いて悲鳴を上げる。


「驚かせてごめん。でも大丈夫? ぼーっとしてたけど」


大河はそう言いながら美緒の額に手を当てた。


熱がないか確認しているみたいだ。


「だ、大丈夫だよ」


美緒はそう言い、大河から身を離した。


自分に女子力がないのは誰のせいでもない。


しいて言うなら自分自身のせいだ。


でもそれで困ったことはないし、好きな人には彼女がいるし……。


そこまで考えて涙がにじんできたので慌てて手の甲でぬぐった。


こんなところで泣いてどうするの!


自分を叱咤し、大河へ笑顔を向ける。


「本当に大丈夫だよ。それより、早く食べよう」


そうして、食事を再開させたのだった。