でも、さっき大河本人が言ったように最近では小規模イベントやオンラインイベントが中心となっている。


この状況はもうしばらくは続いていきそうだ。


OKカンパニーでの仕事も7割くらいがオンラインに切り替わり、今日みたいに10人の社員が集まって会議をする機会は格段に減っていた。


今日はイベント開催を明後日に控えているため、臨時に集まってきたのだ。


その会議も確認作業だけでものの30分で終わってしまう。


これが終われば各自自宅で仕事をするのだ。


「じゃ、明後日の本番はよろしくたのむ」


企画部リーダーといえど制作や運営にも携わっている大河はそう言うと、書類を沸きに抱えて早足で会議室を出て行ってしまった。


美緒はぼんやりとその後ろ姿を見送る。


高身長に長い足。


大河が歩くたびに光を放つサラサラの髪。


そしてモデル並みの顔とスタイル。


いつみてもほぅ……とため息が出てしまう。


その時目の前の湯のみを取り上げられてハッと我に返った。


会議に参加していた他の女性社員たちが片づけを始めている。


美緒は慌てて立ち上がり、湯飲みを回収しはじめたのだった。