「これからどうしましょうか」


これは現実問題だった。


大河のことは一旦頭から離して考えないといけない。


「そうですよね。私は時間があるときだけ仕事をしているので問題ないですが、折本さんはそうはいきませんよね」


そう言う陽菜に「美緒でいいです」と告げてから2人して考え込む。


さすがに陽菜の姿のままで出勤するわけにはいかないから、今日は仕事を休むしかなさそうだ。


1日くらいならどうにかなる。


問題はその後だ。


さすがに何日も休むわけにはいかない。


仕事に穴を開けるのは最小限にしたいし、大河からの信用を失うのも嫌だった。


「あの、とりあえず連絡先を交換しませんか?」


考え込んでしまった美緒に陽菜が提案した。


すでに右手にはスマホが握られている。


「それもそうですね」


頷き、美緒もカバンからスマホを取り出して連絡交換をした。


これで互いに何かがあったときに連絡を取り合うことができる。


「陽菜さんはどんなお仕事をされてるんですか?」


時間があるときだけ仕事をしていると言っても、それをずっと休むわけにもいかないだろう。


「私はイラストレーターなんです。主にメールや電話で打ち合わせをしているので、入れ替わったままでも問題はありません」


その説明に美緒は頷いた。