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階段にはまだ困り顔の陽菜がいた。


美緒を待っていたようだ。


「お弁当はちゃんと届けてきました。陽菜さん」


言うと、陽菜は少し目を見開きそれからまた花が咲くように笑った。


「ありがとうございます。自己紹介が遅れましたね。私は丸島陽菜です」


頭を下げて言う陽菜に、美緒も自己紹介をした。


「同居人の柊さんって、もしかして彼氏ですか?」


男女で同じ家に暮らしているのだから、カップルか家族のどちらかだろうけれど、あえてそんな質問をぶつけてみた。


すると陽菜は頬を赤らめて「はい」と、頷いた。


その様子は照れた大河と似ている部分があって、美緒は視線をそらす。


自分で聞いておいてショックを受けるなんてバカみたいだ。


心の中で嘲笑し、そしてまた顔を上げて美緒を見つめる。