俺の説明を聞くと、おりはは表情を変えず俺の足を掴んで抱きしめるようにした。






「どっちが本当?私はどうしたらいい?」



「……お前は、俺を信じてればいいんじゃねーの」






どちらも信用出来ないならば、俺を信じてみればいい。

もし騙されたと思っても俺を責めれるだろ。
責める相手がいるなら少しは楽になるはずだ。


とおりはの頭を撫でると、おりはは涙の溜まった瞳で俺を見上げた。






「椛、私どこかに行きたい…。椛と2人なら怖くない気がする」



「はぁ?」






涙を貯めて、不穏な顔のおりはの言葉にどうしたものかと頭を抱える。



普段の、前のおりはならこんなこと絶対に言わなかった。

なのにこんなことを言わせて、こんな顔をさせるなんて許せない。
嘘をついている方が許せない。


せっかくここまで俺が守ってきたのに…。
自分の不甲斐なさも実感して憂鬱な気持ちになった。






「椛…2人でどこかに行こう?
私椛にだったら全て差し出せるよ」






その言葉にため息ひとつ着いておりはを起きあげてあぐらの上に乗せ、向かい合う形をとる。






「全て差し出せるって、どういうことか分かってんのか?」



「うん」



「バカ女絶対わかってねーだろ。
こーゆー事だぞ」






おりはの危機能力を呆れながら、そのまま押し倒して服を脱がせる。


でもその間一切抵抗しないから、強引にキスもしたが嫌がる素振りもない。






「おい、好きでもねぇ男にこんなことさせんじゃねぇよバカ」



「好きだよ、私椛のことが好き」