【椛side】
おりはの様子がおかしい。
そう、騒動する叶とおりはの母美咲。
俺はそれを横目にあいつの行った先をケータイで確認してため息をついた。
「あいつ今日カフェ行ってるぞ。
友達がいないあいつがオシャレなカフェに行く、誰かと会ってたんじゃねぇの」
おりはに事実がバレてたらどうしようどうしようと騒ぐ2人に俺が言うと
2人はキョトンと俺を見てくる。
「なんで知ってるの?おりちゃんが行ったとこ」
「は?GPSつけてるから以外にあるかよ」
「え…」
そう、俺は前谷と付き合ったおりはにプレゼントと称して足にミサンガのようなものの中なGPSを入れて渡している。
それを約束通り外してないおりはのお陰で何かあってもすぐ駆けつけられるのだ。
ま、叶にも教えてやらねぇけど。
と黙っていると、叶は諦めたのか口を開いた。
「誰かと会ったって誰と…」
「あいつの様子おかしかったし、昨日の女じゃねぇの。」
「どうやって会ったの?」
「知らねぇよ。大方探し回ったかなにかしたんだろ」
「ええ…」
叶は動揺してか頭が全く回ってない。
というかそんなに困ることなのか?
母親が違っても別に何も困らなくないか?
そう俺は思いながらも、必死に隠してたのならそれなりの理由があるのだろうと口には出さない。
「俺が見に行ってくる」
慌てふためく2人に任せられないと俺はおりはの部屋へと向かった。