アタシはまた『ジュン』のマンションに向かっている。


親にはさえと一緒にいる事になっている。


もぅ十七歳になっていた。


もちろん『ジュン』はアタシの歳を知らない。


多分大学生とでも思っているのだろう。

詳しい話しを始め、お互いの話しをしない。


ただ単純に今いる時間を楽しく過ごしているだけだ。


ピンポ~ン...


「茜かぁ、入っておいで。」


「おじゃましま~す♪」


「どうぞ。」


ココがニャァンと鳴きアタシを迎え入れてくれる。


「ココたぁん~♪相変わらず可愛いねぇ♪」


アタシはアメリカンショーとヘアーのココを抱きかかえた。

ココからは『ジュン』の匂いがした。


アタシはそれにすら嫉妬していた。


「何飲む?」


少しハスキーな声で『ジュン』が言った。


アタシはココを膝の上に乗せ黒の本革のソファに座った。


「ビール、飲みたいな。」


「OK。茜がそう言うと思って最近は冷蔵庫の中は茜専用のビールだらけだよ。」

そんな台詞言う『ジュン』がアタシは好き。


『ジュン』がグラスを二つ置き、かならずアタシに一杯つぐ、そして自分のグラスに残りを注ぐ。


「乾杯」


「乾杯」


こんな一時がアタシにとって一番の安らぎ。