あれから何時間の時が過ぎただろう...。


いつの間にかアタシは熟睡していた。


ゆっくりと目を開けると、そこには村上の整った横顔がある。


「...んっ...まなちゃん...。」


仰向けだった身体はアタシの方を向いた。


目と目が合うと同時にアタシは急に恥ずかしくなった。


ゴロンっと村上に背を向けたが、直ぐさま元の体制に戻された。


「よそ向かないでよ。」


「...ごめんなさい...メイクも崩れてるし...恥ずかしくなっちゃって。」


「そんな事気にしないよ。」


クスっと笑う村上の口元が愛しく思える。


「...そろそろ帰ろうか。」


「...はい。」


...


はっと頭が冴えた。

茜...。


アタシは急に自分が凄く嫌な女に思えてきた...。


さっきまでの幸せが嘘の様に頭の中が茜で一杯になる...。