数年ぶりに帰ってきたこの都市で、今喫茶店の中に見える彼

まさかここで会えるとは思わず、びっくりする。

数年ぶりに会ったせいかあの時より背が高く見える。

しかももっとカッコよくなっている。

私は今動けず、喫茶店の外から彼を見つめる。

「どうしましたか?何かお探しで?」

と聞いてくる彼。

きっと私がずっと見つめてるせいだろう。

声をかけられてハッと我に帰り、何も言わずにその場を立ち去った。

そっか。もう私のことなんて覚えてないんだ。

悲しいのに会えた嬉しさの方が大きかった。

そんな自分がとてつもなく情けない。

私は今でもあなたのことが忘れられません。