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堪えて表情に出さない私をつまらないと言うように目で睨み自分の席へと去っていった。
「あら萌香さんおはよう。今日は私のメッセージをまだ読んでくださってないみたいですけど…。」
生徒会の書記を務める桃園心の仮面の下は狂った偏愛者だ。
「今日は…充電し忘れちゃってて、ごめん。」
本当は電源を切って家に置いてきた。万一持ってきたら嘘がバレる可能性もあるから。
残念そうに溜息を吐く彼女の口元はやけに上がっていた。
実は送られてきたメッセージは朝、相手には分からないように既に確認したが決して気分の良いものではない。
目に浮かぶのは、少しでも反応を示した時の彼女の綻ばせた喜び溢れるあの表情。
「最高の一枚だと思ったのに残念だわ…百合さんはとても喜んでくださったのに…。」
ニッコリ笑った表情を崩さず出された言葉は、いつもよりワントーン低かった。
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