「……っ、どうしてお兄ちゃんだけそんなに背負わなきゃ行けないの? だって、私のため何でしょう?だったら私が、叔父さんたちに返すべきなのにっ」

「違うよ。これは、俺がそうしたくて叔父さんに頼んだことだ。真佳は俺と再会していなかったら、自分で高校に通って、将来を決めて、自分の力で生きて行くはずだった。けど、俺が真佳の人生に入り込んだ。真佳の進むべき道を変えてしまった。だから、これは俺が負うべき責任なんだ」


お兄ちゃんはそう言って、私の頬を撫でた。

でも、といい籠もる私の唇に人差し指を当てた。


「真佳は、俺に振り回されただけだよ。俺と再会しなければ、俺と一緒に暮らさなければ、俺がこの気持ちを伝えなければ、こんなに沢山泣くことも苦しむこともなかった」

「それは違うよっ、真守に再会出来たから、真守と一緒に暮らしたから、その気持ちを伝えてくれたから、こんなにも幸せな気持ちがあるって知ることが出来たの!」


お兄ちゃんは少し目を見開いたあと、優しく目を弓なりにして私の手を握った。