あなたはひとりじゃない

いつもは静かなはずの放課後なのに今日は何故か騒がしい。

「ねぇねぇ何があったの?」

そうさえちゃんに聞くと

「なんか校門にイケメンがいるらしいよ」

そう教えてくれた。

私には関係ないと思い漣くんに帰るよって連絡しようとすると漣くんから

^校門で待ってる^

と連絡が入ってた。
まさか校門にいるイケメンって…

そう思い校門まで走った
校門にはすごく人が多くてざわざわしていた。


「ふみちゃん!」

やっぱり。イケメンって漣くんのことだ。

「漣くん。迎えにきてくれなくてもよかったのに。」

「だってふみちゃんに早く会いたかったんだもん。迷惑だった?」

迷惑じゃない。迷惑なわけない。でも

「迷惑じゃないよ、でも漣くんモテちゃうから…」

「なに?そんなこと気にしてたの?僕にはふみちゃんしかいないから。ね?」

私の不安を一気に拭ってくれる。だいすき。出会ってまだ三日目なのに。

「うん。迎えにきてくれてありがとう。」


二人で歩く帰り道。

「すごく漣くん目立ってたね。」

「そうなの?」

「校門のところにイケメンがいるって噂になってたよ!」

「ふーん」

「興味ないの?」

「うん。僕ふみちゃん以外興味ないもん。」

「ふふ、嬉しい。ありがとう」


なんでも言葉にしてくれる漣くんはかわいい。

朝起きたら隣で寝てるはずのふみちゃんがいない。

なんで?寂しい。ひとりにしないで。

僕にはふみちゃんしかいないから。

そう思って連絡しようとするとふみちゃんからメールがきていた。

^漣くん。起きたかな?学校は12時に終わるから少し待っててね。^

よかった。安心したら涙が出てきた。

はっきり言って僕はすごく重いと思う。初めて会った次の日に結婚しようって言っちゃうしふみちゃんが他の男といるのを想像するだけで気が狂いそうになる。

でもふみちゃんはそんな僕を受け入れてくれた。
やっぱり僕にはふみちゃんしかいない。

ノリでも僕のふみちゃんに遊ぼうっていう男を許せない。

学校が違うのもやだ。こんなことなら勉強頑張ってふみちゃんの学校に入ればよかった。

そろそろ12時だ。
ふみちゃんが帰ってくる。


そうだ。迎えに行こう。

寂しいから。ううん。ふみちゃんを独り占めするために。

7月22日(土)

今日は学校だった。漣くんが迎えにきてくれた。
素直に嬉しかった。
漣くんと一緒に暮らすようになって初めての休日だ。


9時。
もう9時か。起きなきゃ。

「漣くん。もう朝だよ。まだ起きない?」

「まだ寝てる…」

本当に漣くんは朝が弱い。私もだいぶ弱くて今まで毎日寝坊してたけど漣くんと暮らし始めてからは漣くんのために起きれてる。

「わかった。私リビング行ってもいい?」

「ダメに決まってるでしょ?僕と一緒にいて?」

私はこの目に弱い。小動物みたいな目だ。

「わかったよ。そばにいるから寝な?」

あぁ幸せだな。

12時。
漣くんはまだ私に抱きついて幸せそうに寝ている。

お腹すいたなぁ。でもここ離れられないしな。どうしよ。
ちょっとでも動くと漣くんはぎゅっと抱きしめる力を強くする。

「おなかすいたな」

「ごめんね。」

ちょっと呟いただけなのに漣くんが起きた。

「あ、起こしちゃった?ごめんね。もう起きる?」

「なんでふみちゃんが謝るの?もう起きるよ。僕のそばから離れないでいてくれてありがとう。大好きふみちゃん。」

「私は漣くんから離れないよ。ご飯作ってきてもいい?」

「いいけどふみちゃんも好きって言って?」

漣くんは言葉を欲しがる。態度で表すことも求める。
私は漣くんの気持ちにちゃんと答えられてるんだろうか。
なんかすごく不安になった。

「好きだよ。漣くん。」
本当に私が漣くんのそばにいるべきなのだろうか。

すごく不安になってくる。

私は漣くんの不安や怖さを取り除くことはできているのだろうか。

漣くん。私はいい彼女でいられているかな?

そんなことを考えながらご飯を作った。

「今日なにしようか?」

出会って初めての休日。

「今日はふみちゃんとイチャイチャする日。家から一歩も出ないでずっとくっついてる。」

「そんなのでいいの?」

「うん。ふみちゃんがいればなにもいらない。」

「わかった。ずっと一緒にいようね。」

それから私たちはダラダラとくっついて過ごした。