「た、たしかに! それは女のプライドとして、許しがたいな!」
きーっと怒る娘に、アリギュラもはたと気づいて同調する。そして、勢いよく拳を突き出した。
「薄情者には鉄拳を!」
「鉄拳を!」
アリギュラに続いて、娘も拳を振り上げる。ややあって、二人は声を出して笑いあった。
笑いすぎて滲んだ涙を拭いながら、娘は満足げに息を吐いた。
「はーっ。私も、お話を聞いていただいたらすっきりしましたわ。溜め込んだ想いを吐き出すのって、とっても大事なことですわね」
「ああ! まったくだな!」
笑いながら、アリギュラも頷く。すると娘は、ためらうように眉をハの字にしながら、そろそろと切り出した。