「アリギュラ様を私のルートに招いたのは確かです。しかしそれは、人間どもの手から我が君を守るため。あんな連中に、大切な御身を任せるわけにいきませんから」

「じゃ、じゃが。ルートを確定させるだけなら、光の剣を渡すだけで済んだはず。なのに、あ、あんなキスまでするなんて、何か下心があるとしか……」

「牽制のためです! 連中、アリギュラ様の戦闘姿に随分と感銘を……いえ。ハートを撃ち抜かれているようでしたので。それに、聖女のお力を拝借せねば、あの剣を使いこなすことはできませんし」

 淡々と、あくまでビジネスライクに答えるメリフェトス。受け答えをしているうちに、アリギュラも大分頭が冷えてくる。

 怒りの持って行き所をなくして微妙な顔をするアリギュラに、メリフェトスはとんと己の胸を叩いた。

「ルートを確定してしまえば、こちらのもの。人間との恋愛ごっこ、などという茶番を演じる必要もなくなりますし、何より我らは共犯関係になれます。最低限女神の望むおとゅめげえむ的世界感を守りつつ、着実にエンディングを目指せばよいのですから」

「はあ」