自分も、まほキスの攻略対象者である。
メリフェトスの衝撃の告白に、アリギュラはあんぐりと口を開けた。たっぷり沈黙すること数秒、異世界の魔王は、弾かれたように叫んだ。
「はぁあああああああ!?!?」
「わ、我が君、耳が痛いです……」
耳栓をして、うめくメリフェトス。アリギュラはそれを無視して、メリフェトスの胸ぐらを掴んで詰め寄った。
「おぬしが攻略対象者だ!? いったいどうなっている!! おぬしもわらわと同じ、アーク・ゴルドからの転移者だろうが!!」
「これも女神の調整なのですよ、我が君!!」
ぶんぶんと振られながらも、メリフェトスは答えた
「私の今の立場は、本来ほかの男が担うべきものです。しかし、アリギュラ様の置かれている状況を知った私は、なんとしても貴女のおそばに行かねばと女神と交渉しました。結果、元いた攻略対象者の代理として、私がこの世界に送り込まれたのです!」