アリギュラとしては深い意味はなかった。光の剣にはこれっぽっちも魅力を感じなかったし、いらないから適当にやっただけだ。
だが、たったいま聞かされたではないか。
聖女は、光の剣の預かり人を任命する。それによって、まほキスのルートが決定される、と。
さあぁぁっと、顔から血の気が引いていく。
攻略対象者は全部で6人。王太子。騎士。侍従。第二王子。魔術師。メリフェトスは、すでに5人の存在を明らかにしている。
では、あとひとりは誰だ。毎度適当に「など」といって誤魔化していた、最後の攻略対象者は。
まさか。もしかしたら。ひたひたと忍び寄る嫌な予感に、アリギュラは顔を引き攣らせた。
「め、メリフェトス? おぬし、まさか……?」
「そのまさかです、我が君」