あまりのことに、アリギュラは完全に思考を停止してしまう。そんな主に、メリフェトスは見たこともないような色気を漂わせて、妖しく目を細めた。

「聖女の力、借り受けさせていただきます」

 低く、ぞくりと耳が震えるような声で、メリフェトスが囁く。

 ぴしゃああああああん、と。

 本日二度目となる『覇王の鉄槌』が、空を駆け抜けたのだった。